【沖縄の名所】与那国島
与那国島は八重山諸島の西端に位置する島であり、島内の西崎(いりざき)は日本の最西端の地です。正式な日本の東西南北端としては唯一、一般の交通機関で自由に訪れることができる場所であり、そこには日本最西端の碑が建っています。その前で訪れた多くの人が記念撮影をしています。その他にも、国内で最も遅く沈む夕日を見てたそがれる人の姿も見受けられます。
高台になっているので、久部良の集落も見渡せます。台湾までの距離もわずか111kmと近いため、年に数回晴れて空気の澄んだ日に台湾の山々が見えることがあるそうです。国境から見る日本、国境から見る海の彼方、人々の胸にそれぞれの想いが浮かびます。
島はサツマイモ形をしており、自転車でも4時間程で一周できる大きさです。ちなみに西崎の反対側には東崎(あがりざき)があり、こちらも観光名所として知られます。 他にも観光名所の多い島で、与那国島の最高峰である宇(う)良部(らぶ)岳(だけ)や立神岩、軍艦岩、サンニヌ台に先島諸島火番盛のダティグチディなどなど目移りしてしまいます。最近では海底遺跡のようなものも見付かり噂を呼んでいます。
このように素敵な文化を持つ与那国島ですが、今回は特別な伝承のある2つのスポットを紹介します。
一つ目の久部(くぶ)良(ら)割(ばり)は岩場にある幅3m、深さ7mの割れ目です。かつてこの場に集められた妊婦は割れ目を飛び越えさせられ、成功者のみが生きて子を産むことが出来たと言います。しかし無事に飛び越えても腹を強打し流産する者も多かったそうです。
2つ目は人(とぅん)升田(ぐだ)です。ここには、昔15~50歳の男子が招集され、田に入りきれなかった者が殺されたという伝承があります。
どちらも人頭税による過酷な取り立てがあった頃の人減らし策であったと言われています。残酷な歴史の傷跡は今も面影を残します。悲しい場所ですが、自分の目で見て、知るということはとても大切なことです。楽しいことも辛いことも全てひっくるめて現地を感じるために、是非足を運んでみて下さい。
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