【沖縄の名所】今帰仁(なきじん)城(ぐすく)跡
国頭郡今帰仁村に位置する城跡です。那覇市からは車で約1時間30分の距離にあります。観覧料は大人400円で、世界遺産に登録されたグスクとしても注目を集めています。
琉球王国成立以前から存在していたこのグスクは北山の国王・北山王の居城でした。北山は尚巴志に滅ぼされますが、その後もグスクは旧北山統治の要所として引き続き使用され、北山監守が派遣されました。
標高約100メートルに位置し、堅牢な城壁に囲まれた今帰仁城はやんばるの地を守る要のグスクだったため、薩摩藩による琉球侵略の際には、その攻撃の第一目標となりました。やんばるとは沖縄本島北部地域の呼び名で、漢字では山原と書きます。
外郭を含めると7つの郭からなり、面積は首里城とほぼ同規模でした。城を囲む石垣は地形を巧みに利用し曲線を描いていました。主郭を中心に9つの石で作られた塀があり、東に行くに従って高くなっていく造りです。外周は約1500m、高さは10mほどもあります。日本版、万里の長城といったところでしょうか。防衛に優れた造りです。
今帰仁城跡は桜の名所としても知られ、その時期は毎年花見客で賑わっています。時期というのは1月下旬から2月上旬頃のことです。本土では桜と言えば3月下旬から4月上旬を見頃だとイメージしますが、暖かい沖縄県ではもっと前から桜が開花します。日本で一番早くお花見をするには今帰仁城跡に行くことをお勧めします。
復元された正門、平郎門の入り口を入るとまず迎えてくれるのが、カンヒザクラです。これは紅色の強い桜で、時期や色から本土の人は梅と間違えてしまうかもしれません。門から城の中心部へと向かう階段はこの桜の並木が続いており、風情があります。桜は昔から日本を象徴する花だったためでしょうか、歴史的な土地とは無性に相性が良い様に思います。グスクと桜も、また絵になる組み合わせです。
日本のほとんどの地域がまだ寒い時期にある中、桜を先取りできるとはなんとも贅沢な場所です。
今帰仁城跡(公式)