沖縄の文化

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ゴーヤーチャンプルー

沖縄料理と聞いてすぐに思い付くのはゴーヤーチャンプルー、といった方は多いのではないでしょうか。 ゴーヤーの標準和名はツルレイシです。ニガウリの呼び名でも知られています。

その他にも九州・南西諸島各地に地方名があり、宮古方言のゴーラ、八重山方言のゴーヤ、熊本県をはじめとする九州の大部分のニガゴリ、鹿児島県奄美大島のトーグリ、長崎県諫早地方のニガウイ、諫早地方・鹿児島県本土のニガゴイなども全て同じツルレイシのことを指しています。


日本では沖縄県産のツルレイシがシェアの3割を占めています。そのため沖縄料理ブールと共に沖縄本島で一般的に使われているゴーヤーの名が浸透し、全国でもゴーヤーやゴーヤの名が広く使われるようになりました。品種によって呼び分ける場合もあるそうです。

次にチャンプルーとは、野菜や豆腐などを炒めた沖縄料理を表します。

もともとは沖縄方言で「混ぜこぜにした」というような意味であり、野菜や豆腐に限らず、さまざまな材料を一緒にして炒め合わせます。あり合わせの野菜に、安価で毎日手に入る豆腐、保存食である塩漬けの豚肉などを加えた家庭料理ですが、近年では沖縄県以外の日本各地でも食べられるようになりました。

○○チャンプルーのように主な材料の名を冠して呼ばれることが多く、ゴーヤーチャンプルーの他にタマナーチャンプルーやパパイヤチャンプルー、マーミナーチャンプルーなどのようにそのバリエーションは実に豊富です。

豆知識

ちなみに琉球・東南アジア・日本・中国・アメリカの風物が歴史的経緯から入り交じっている沖縄県の文化のことをチャンプルー文化などと呼ぶこともあるそうです。 似た言葉で長崎の「ちゃんぽん」も「混ぜる」からきている名だとする説があります。いろいろな種類のお酒を混ぜて飲むことを「ちゃんぽんする」とも言いますね。チャンプルーと語源が同じだとする説があるようです。

ソーキそば

ソーキそば

 そばという呼称ですが実は蕎麦粉は使っていません。麺は100%小麦粉を使用し、中華麺やワンタンの皮などに食品添加物として加えるアルカリ塩水溶液であるかん水、または伝統的に薪やガジュマルを燃やして作った灰汁を加えて打ちます。製法的には中華麺と同一であり、公正競争規約の上でも中華麺に分類されています。 しかし麺は一般に太めで、和風のだしを用いることもあり、その味や食感はラーメンと言うよりはむしろ肉うどんに類似しています。そばだけどラーメンやうどんみたいって、なんだか気になりますね。

県内では単にそばと呼ばれたり、方言ですば・うちなーすばと呼ばれます。

沖縄においてそば・すばは沖縄そばを指し、蕎麦は日本そば・ヤマトそば・黒いおそばなどと呼んで区別されます。

返還直後には名称に関する議論もありましたが、現在では沖縄そばは農山漁村の郷土料理百選に選ばれ、その呼び名が全国的にも定着しています。

更に沖縄そばにソーキをトッピングとして乗せたものがソーキそばです。 ソーキとは、沖縄で一般的に豚のあばら肉のことを指します。ソーキは梳(すき)の訛りで、豚の肋骨が櫛に似た形状であるため、あばら肉もソーキと呼ぶようになりました。ソーキはそばの具として食べる以外にも、ソーキ汁や網焼きソーキなど様々な調理法で食されています。中でもソーキそばはすっかり沖縄料理の定番メニューになっています。食べ比べてお好みのお店を探してみるのも良いかもしれませんね。 ちなみに、これまた沖縄ではお馴染みのオリオンビールと相性が良いという噂も聞きます。

豆知識

戦争の影響で一度はなくなってしまったそばの店も、戦後に復活を遂げてどんどんと数を増やしました。それに伴い、それぞれの店舗が様々な具材を使用し、鰹や昆布を用いた和風の出汁を用いるなど競い合って工夫を凝らし、県民食として発展していったのです。

サーターアンダーギー

サーターアンダーギーは砂糖を多めに使用した球状の揚げドーナツです。 首里方言で“サーター”は砂糖、“アンダーギー”は“アンダ”と“アギー”に分かれてそれぞれ“油”と“揚げ”を意味し、合わせて“揚げる”となり、“揚げ物”を意味します。

別名で「砂糖天ぷら」「サーターアンダギー」「サーターアンラギー」とも呼ばれます。

宮古方言では砂糖は“さた”、揚げ菓子は“ぱんびん”と言うため、サーターアンダーギーは“さたぱんびん”と呼ばれています。

 

低音の油でゆっくりと揚げるため、まずは表面が固くなり、その後内部の膨張に従い球状の表面が割れます。これを見てサーターアンダーギーが笑ったと表現する人もいるそうです。昔ながらの味に親しみを込めている様子が思い浮かびます。 割れた表面が花開いたように見えることから、縁起のよいお菓子ともされています。

祝い事の際などには普段のものより大きい、直径約12~15cmのものが作られることもあります。大きく開いた花形のサーターアンダーギーを食べたら、沖縄の元気な自然のパワーがもらえそうですね。

 

サーターアンダーギーは気泡が小さく密度が高いことに加え、砂糖が多く使われていることからも食べ応えのあるお菓子に仕上がっています。表面はサクサク、中はシットリで老若男女に人気の一品です。 時間をかけて中まで揚げることから日持ちし、数日程度は常温下でも置いておけるため、一度に大量に作ることが可能です。家庭でも気軽に作れるので、ストックしておいたらついつい手が伸びて沢山食べてしまいそうです。

 

豆知識

また表面に割れ目を生じるその形状から、「女性」を象徴するとされています。結納では同じく「男性」を象徴するお菓子、カタハランブーと一緒にどっさりと盛り付けられ、卓を囲む人々でそれらを食するという習慣があります。ちなみにカタハランブーは塩味の揚げ菓子です。女性を表す方が甘い味付けというのも、なんとなくイメージに合う気がします。

ちんすこう

金楚糕(キンソコウ)を琉球語の規則変化どおりに発音すると“ちんすこう”となります。沖縄県にあまり縁のない人でも、これを食べたことのある人は多いはずです。 ちんすこうは小麦粉、砂糖、ラードを主原料とした焼き菓子で、琉球王朝時代から沖縄県で作られている伝統的なお菓子の一つです。


琉球王朝の後期、料理座の包丁人であった者達が冊封使の食事を賄う為に渡った中国で習得した中国菓子と、薩摩藩の在番奉行の接遇の為に石原嘉右衛門や柳屋善太郎から学んだ日本菓子を元に、琉球独自のお菓子として作り上げました。

現在ではプレーン味の他に紅芋味、塩味、パイン味、チョコレート味、チーズ味などいろいろな味付けの物が販売されており、多くの人の好みに応えています。味に合わせて色も様々なバリエーションがあり、素朴な可愛さを持っています。

 

ちんすこうの食感はパサパサしているのにどこか柔らかさもあり、やみつきになってしまいます。緑茶や紅茶やコーヒーなどのお茶請けにするもよし、アイスクリームにトッピングするもよし、さりげない上品な甘みは多くの場面で愛されています。 そして小さい食べきりサイズで売っていて日持ちもするので、お土産としても不動の人気を誇っています。今でこそ県外の人にも親しまれているちんすこうですが、その昔は琉球王朝の王族や貴族のみが、祝い事などの時に食べることのできるお菓子として珍重されていたそうです。食べるだけで少しセレブな気分を味わえそうですね。

豆知識

戦後のちんすこうの定番と言えば長細い形状でしたが、最近では形も様々に展開を見せています。球形や花形など目に楽しい物もあれば、男性器をかたどった子宝祈願のお菓子、その名も“ちんこすこう”なる物も登場しました。製造時に使用する金型に沖縄県内の神社で子宝祈願をしているそうです。出生率の高い沖縄ならではのユーモアですね。

泡盛

泡盛は琉球諸島産の蒸留酒で、焼酎の一種です。主としてインディカ米を原料とし、黒麹菌を用いた米麹である黒麹によって発酵させ、もろみを蒸留しています。

泡盛はアルコール度が高いものから比較的低いものまで市販されているため、幅広い飲み方が楽しめます。

一般的に多くされる飲み方は水割りですが、熟成された古酒をより深く味わうのであればストレートをお勧めします。その他ロックやお湯割り、炭酸割りなどはもちろん、地元では沖縄特産品を使用したシークヮーサー割りやウコン割りなどもされ、カクテルベースとしても様々なレシピが考案されています。アイディア次第で自由に手を加えることができるので、自分で新しい味わい方を探すのも楽しそうですね。

柔らかい飲み口の物や甘みのある物など、多様な展開を見せているため女性からの支持もあります。近年はカロリーが低いことでも注目され始めました。

泡盛は寝かせると独特の香気やこくが出て美味しくなります。貯蔵期間が長い物ほど上質とされますが、琉球王朝時代に存在したとされる200年物や300年物は沖縄戦で全て喪失してしまったため、首里の識名酒造に現存する150年物が珍重されています。また3年以上貯蔵された物はクースと呼ばれます。クースは古酒という意味です。

酒そのものだけでなく、器にもこだわることができます。ストレートで飲む時は多くの場合、猪口と泡盛用の伝統的な酒器であるカラカラを使います。カラカラの多くは壺屋焼ですが、ガラス製の物もあります。中身が空の時に振ると音のする玉入りの物もあり、なんとも風流です。また、水割りなどの時は琉球ガラスのグラスがよく使われます。

豆知識

現在ではあまり使われませんが泡盛を携行するための水筒で抱(だち)瓶(びん)という物もあります。その他にお祝いの贈答用容器や、お供え用の酒器、保管用の甕など、器も様々に使い分けられています。 見た目もお酒を美味しくする要素の一つですから、伝統的な器を使うことによって飲む人の気持ちも変わりそうですね。是非、完璧に沖縄文化に浸って美味しいお酒を飲みたいものです。

苗字

古琉球期の苗字は平仮名書きによるものが主流でしたが、薩摩の侵攻以後は漢字が当てられるようになりました。薩摩は中国と交易をする上で琉球を異国風に保つ目的から、琉球の人々に、日本風の姓は改名もしくは当て字を変えて三字姓などにすることを要求しました。


琉球王国時代、琉球の王族・士族は姓(氏)+諱(いみな)、家名+称号+名乗(なのり)という構成で名を持っていました。例えば、向象賢・羽地按司朝秀の場合、「向」は姓、「象賢」は諱、「羽地」は家名、「按司」は称号もしくは位階、「朝秀」は名乗です。 姓と諱の組み合わせは中国風の姓名という意味で唐名とも言い、主に公文書や中国との外交の際に使用されました。 家名は名字に相当しますが、これは領地名を当てるのが原則でした。そのため領地が異なれば家族の中でも家名が異なるのです。同一人物であっても領地替えが起こると、家名もその度に変わります。領地を持たない一般士族は、名島(なじま)という名目だけの領地名を賜り、家名としていました。

また名乗は日本風の名で、最初の一字を名乗頭(なのりがしら)と言い、姓ごとに漢字が決まっていました。上記の例では、朝秀の「朝」の字が名乗頭で、向氏の者は最初に必ず「朝」の一字が付きました。 家名・称号・名乗を合わせた構成は、大和名と呼ばれ、羽地按司朝秀がこれにあたります。大和名は主に日本との外交の際に用いられました。

廃藩置県後は庶民にも苗字が与えられ、また日本に組み込まれたことで沖縄の姓も日本語読みするようになりました。現在も仲村渠(なかんだかり)や東江(あがりえ)など琉球読みの苗字が残っていますが、これらは少数派となりました。

豆知識

沖縄の苗字で最も多いのが比嘉(ひが)です。次に金城.(かねしろ)・大城.(おおしろ)・宮城(みやぎ)・新垣(あらかき・あらがき・しんがき・にいがき).と続きます。5位までを見ると城の字が多く用いられています。他には嶺、里、間、平、仲などの字が使われることが多く、沖縄の地と人との結びつきを感じられます。

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