シーサー
シーサーは伝説の獣で、その像は建物の門や屋根、村落の高台などに据え付けられ、集落や家々に災いをもたらす悪霊を追い払う魔除けの意味を持ちます。獅子を沖縄方言で発音したもので、八重山諸島ではシーシーとも呼ばれます。
スフィンクスや唐獅子、日本本土の狛犬などと同じく、ルーツは遠くシルクロードから海を渡ってやってきた古代オリエントのライオンもしくは犬と伝えられています。
もともとは単体で設置されていたものですが、本土の狛犬の様式の影響を受けてか阿吽像一対で置かれることが多くなりました。口の開いたシーサーが雌で、右側に置き、福を招き入れ、口を閉じたシーサーが雄で、左側に置き、あらゆる災難を家に入れないとする説もあります。
一方では魔除けと言っても災難を除けるのではなく、シーサーがいったん飲み込んで悪いものを消化してくれるとする説もあります。
どちらの説でも口に注目していますね。やはり大きな口は特徴的で、チャームポイントにもなっています。元来設置されていたのは寺社や城の門、御獄、貴族の墓陵、村落の出入り口等のみでしたが、庶民に瓦葺きが許されるようになった明治以降は各戸の屋根の上に置かれるようになりました。
材質は石や陶器、漆喰による物が基本ですが、近年ではコンクリートや青銅製の物も出ています。 魔除け、守護神、福を招く縁起物として昔から親しまれてきたシーサーは現在、玄関に置く様な本格的な物から可愛らしい顔にデフォルメされたストラップまで様々な形で作られているため、更に身近な存在になりました。
豆知識
シーサーは全国的にも有名なので卓上サイズの置物などはお土産品としてもお手頃です。お土産として引き取られたシーサーが、全国各地のそれぞれの場で魔除けをしてくれていると考えると頼もしいですね。一見恐そうな顔にも見えるシーサーですが、ずっと見ているとひょうきんな顔に見えたり、可愛さが見え隠れします。 こんなに人気者の神様は珍しいですね。