【沖縄の文化】エイサー
沖縄県でお盆の時期に踊られる伝統芸能です。名前の由来は、浄土宗系の念仏歌に挟まれる囃子の一つ「エイサー、エイサー、ヒヤルガエイサー」だと言われます。また「おもろさうし」に「ゑさおもろ」の語があり、これを由来とする説もあります。地域によってはヤイサー、エンサー、七月舞(しちぐわちもーい)、念仏廻り(にんぶちまーい)とも呼ばれます。
エイサーは祖先の霊を送迎するためのもので、若者達が歌と囃子に合わせて踊りながら、地域の道を練り歩きます。お盆は若い世代にも比較的知られている習慣ですが、現世に戻ってくる祖先を迎えたり送ったりするために何かをする人は少なくなっています。そんな中、エイサーでは若者が中心となって活動しています。祖先を重んじる沖縄の人々の心が表れているようで、なんだか嬉しくなります。 戦前は浴衣などの普段着姿で手ぬぐいを頭に巻くというスタイルが主流で、太鼓を用いることはあまりありませんでした。
これが戦後、沖縄市など本島中部を中心に大きく変化を見せ、全島エイサーコンクールが始まったことで更に派手なパフォーマンスや衣装が取り入れられるようになりました。観客の目を引くよう、“見せる”ことを意識したものが増えたのです。 最近では太鼓を持つスタイルが多くなっています。中でも締太鼓とバーランクーを持つ人は、身体をひねる、しゃがむ、回る、飛ぶという派手な動作をします。大勢で同時に動くため統一感や躍動感が大きく、エイサーの魅力の一つとなっています。その一方、名護市以北の本島北部では手踊りの伝統エイサーも続けられています。
これは琉球舞踊を基礎とした優美でたおやかな動きが特徴です。
豆知識
三線が伴奏する場合はテンポが速めになります。 エイサーは近年ますますの盛り上がりを見せ、踊り自体を鑑賞するために各地域のエイサーを集めたイベントなども開催されています。これが他の地域でも話題になり、重要な観光イベントにもなっています。